
誕生から9シーズン目を迎え、さまざまなアイテムを展開するブリティッシュメイド メンズコレクション。なかでも毎シーズン好評をいただいているのが、ブレザー「テムズ」とオフィサーパンツ「ポーツマス」です。そんなベストセラーアイテムの今季的着こなし方を、コレクションの監修を務めるスタイリスト四方章敬さんが解説。装いのアップデートにぜひお役立てください。
【Best Seller 2】 オフィサーパンツ「ポーツマス」
ありそうでない、絶妙なバランスのテーパードシルエット
ブリティッシュメイド メンズコレクションの立ち上げ初期から展開し、現在ではコレクションを代表するヒットアイテムとなっている「ポーツマス」。一見ベーシックなパンツのようですが、スタイリスト四方さんのこだわりが細部まで凝縮された一本です。
イタリア系ドレスパンツほどスリムでなく、デザイナーズ系パンツほどワイドではない。そんな“ありそうでない”シルエットを追求して生まれたのが本作です。そのイメージソースとなったのが、1960年代にロイヤルネイビー(英国海軍)が採用していたオフィサーパンツ。ミリタリーウェアでありながらエレガンスも感じさせるシルエットが特徴的でした。
そのバランスを参考にしつつ、シルエットは現代的なテーパードに設定。さらに本格ドレスパンツを製作する実力派のファクトリーに生産を依頼し、細部まで上質な仕立てにこだわりました。
左は、ヴィターレ バルべリス カノニコ社が手がけたファブリック「スーパーソニック」を使用。上質感と英国的なハリコシを兼備したウールで、シワにも強い機能的な素材です。右はヴィンテージのチノパンを分析して生み出されたコットンドリル素材。はき込むと美しく経年変化するのも魅力です。ウールパンツには、ビジネスユースも意識してベルトループを配しました。

How to Style “Wool Officer Pants” in 2025「中間色を基調に、やさしげな雰囲気で合わせたい」
ウールの「ポーツマス」から四方さんが考えたコーディネートがこちら。
「ネイビージャケットのスタイリングで、真っ白ではなくオフホワイトを活用すると今どき感が高まりますとご説明しましたが、オフホワイトにはネイビーだけでなくグレーも好相性。とはいえ、ここでも重要になってくるのがそのトーンです。あまり濃いグレーを合わせると、コントラストがつきすぎてオフホワイトの柔らかさが活きてこない。これくらいのミディアムグレーを合わせると、モダンな印象にまとまります。
オフホワイト×ミディアムグレーの装いは、都会的で上品な印象を醸し出せるのが魅力。こちらの服装はフライトジャケット『リーミング』にスウェットシャツ『レスター』、そしてオフィサーパンツ『ポーツマス』と本来骨太な背景をもつアイテムばかりですが、中間色を基調にしたやさしげなトーンで大人っぽく装えます」
ジャケット:フライトジャケット / リーミング ¥39,600(BRITISH MADE)
トップス:スウェットシャツ / レスター ¥20,900(BRITISH MADE)
ベルト:ロングリボンベルト ¥17,600(GLENROYAL)
パンツ:オフィサーパンツ / ポーツマス(ベルトループ付) ¥38,500(BRITISH MADE)
シューズ:ハワード ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)

How to Style “Cotton Officer Pants ” in 2025 「紺×紺の合わせは、素材感を変えるのが秘訣」
こちらはコットンドリルの「ポーツマス」を使ったコーディネート。
「パンツとほぼ同色のネイビーシャツを合わせて、ミニマルな春夏スタイルにコーディネートしました。ここで重要になってくるのが、素材感のマッチング。同じような風合いのものを組み合わせるのではなく、同色だからこそ素材の風合いには変化をつけると大人っぽい印象に仕上がります。
こちらのコーディネートの場合、パンツはガシッとした肉厚のコットンドリルなので、シャツは軽やかな素材が好相性。こちらはコットン×リネン×ポリエステルで、薄くふんわりとした風合いです。このメリハリがスタイリングに奥行きをもたらしてくれるというわけですね。トップスに軽快な素材を取り入れることで、ダークトーンながら春夏らしい季節感を演出できるところもポイントです」
シャツ:オープンカラーシャツ / ヘイスティングス ¥20,900(BRITISH MADE)
パンツ:オフィサーパンツ / ポーツマス(コットンドリル) ¥28,600(BRITISH MADE)
シューズ:ハワード ¥92,400(JOSEPH CHEANEY)
