英国を象徴するアイテムであり、メンズウェアの永久定番として時代を超えて愛されてきたツイードジャケット。モノトーン系から多色使いまで多彩なバリエーションが存在しますが、「スタイリストの視点から、“今、一番使えるツイードジャケット”を目指して素材を厳選しました」と、本作のディレクションを手がけた四方章敬さんは話します。
「あくまでクラシックをベースとしつつリラックス感も備え、ネクタイからTシャツまでマッチするジャケットが理想でした。そこで取り入れたのが、緩やかなAライン。肩の傾斜を強めにして“なで肩”のラインを描き、裾がわずかに広がるシルエットにデザインしました。これによってリラックス感が高まり、カジュアルにも合わせやすくなるというわけです。テーラードのセオリーからすると少々型破りなのですが、実は1920年代の英国ジャケットも同じような形をしていました。なので、ブリティッシュメイドのコンセプトにもマッチするかなと考えたんです」と四方さんは説明します。
2020年のデビュー時はブレザーからスタートしましたが、今季はツイード素材を載せた新作を投入。
New Fabric 1|ジャパニーズツイードをフィーチャーしたヘリンボーンジャケット
ジャケットとしてはやや太幅のヘリンボーンが程よく主張するグレージャケット。無地感覚で使えるため合わせるアイテムの幅が広く、ツイードジャケットに慣れていない方にもおすすめの一着です。素材は日本が誇る毛織物の名産地・尾州のメーカーからセレクト。英国生地にも通じる質実剛健さが魅力で、しっかりウェイトのあるオーセンティックなツイードです。とはいえ仕立てが非常に軽いため、着心地はあくまで快適。窮屈感なく着こなせます。
New Fabric 2|英国「MOON」から選んだ、旬の淡色ツイード
ツイードの名門として知られる英国のファブリックメーカー「MOON」からも素材をピックアップ。これぞブリティッシュツイード!という、ドライな手触りに惹かれます。耐久性にも優れ、着込むほど味わいが出てくるのも魅力。5年、10年の時を経て、いっそう美しく育つ一着です。柄はクラシックなガンクラブチェックですが、ライトブラウンやベージュを主体とした、淡めの色使いで構成されているのがポイント。これにより今どき感がグッと高まります。